うつになりやすい性格って?
うつになりやすい性格について、古くから様々な専門家が提唱しているのですが、その中でも有名なのが、「メランコリー親和型性格」というもの。メランコリーは「憂鬱」という意味なので、「憂鬱に馴染み深い性格」という、そのままの意味になります。
実際は、どんな性格の人でもうつになるので、この性格に当てはまるかどうかは決定的な問題ではないのですが、「自己理解を深める」という観点でとても有用な考え方なので、紹介します。
メランコリー親和型性格ってどんなもの?
メランコリー親和型性格の特徴は?
「メランコリー親和型性格」とは、ドイツの精神医学者が提唱した概念で、次のような特徴があります。
いくつ当てはまるか確認してみましょう。
- ルールや秩序を守る
- 几帳面である
- 自分の仕事に対する責任感が非常に強い
- 完璧主義
- 他人を大事に考える
- 親切
- 律儀である
- 争いを避けるために、自ら折れることができる
これって、学校や仕事だったら「優等生やデキル人」の性格そのものですよね。
そうです。こうした性格は、組織活動においてはまさに模範的で、非常に高い評価を得やすい性格です。
メランコリー親和型性格のベースには、「秩序志向性」という特徴があります。
「秩序志向性」とは、自分で決めたルール・規範を、しっかりと守ろうとする性質のことで、これは良い評価を得たり、質の高い仕事をしたりするうえでは非常にプラスに働きます。
メランコリー親和型性格のマイナス面は?
一方で、厳しい「自分のルール」の中にはまりすぎるために、気持ちの切り替えができなかったり、プライベートにも仕事を持ち込んでしまったり、未完了の義務があると気になってリラックスができないといった弱点もあります。ストレスマネジメントの観点からは、次のようなマイナス面があります。
- 変化に弱い
- 融通が利きにくい
- 人に頼れない
- うまく手を抜けない
- 他人の評価を気にしすぎる
こうした人たちは、特に他人に悩みを打ち明けたり、助けを求めることがすごく苦手だったりします。むしろ、優秀であるからこそ、大抵の困難を独力で解決できてしまうため、他人に本気でヘルプを求めたことが今まで一度もない、というケースも少なくありません。
そのため、自分のキャパシティを大きく超えた業務ストレスが襲い掛かってきたとしても、他人からの評価が気になって、自分自身の心身を休めることを後回しにして限界まで頑張ってしまう。
そして心身の限界が来て、うつを発症するといったパターンが非常に多いのです。
もともと周囲からの信頼の度合いが高いゆえに、組織の面倒事がこうした人に一手にのしかかりやすいという側面もあります。
すると、断るのが苦手なのでますますキャパシティオーバーになりやすいという危険性があります。
これまで学業も仕事も順調だった人が、初めて挫折して休業を余儀なくされる「優等生のファーストキャリアでの適応障害」はこのパターンが多いです。
他人の期待に応えることが喜びで、その期待をエンジンにどこまでもハイスピードで走り続けてしまう人は、どんなにしんどくても(体調を崩す、休職を余儀なくされるなど)壁がないと止まれないのです。
まとめ
優秀で、他人の期待に応えようとする人ほど、無理をしてしまいやすいです。人に頼ることは悪いことではないので、困ったときは無理をせず人に助けを求めましょう。
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